人気ブログランキング |
2008年 08月 10日
Hinode-tei
d0141644_1224392.jpg
8月5日昼、淡路島アートセンター(AAC)の土井章広さんに「たこせんべいの里」まで迎えに来てもらって、塩尾(しお)の「日の出亭」へ。
2004年に台風災害によって裏山が土砂崩れになり半壊状態で発見された空き家で、戦前は料亭として営まれてきたらしい。取り壊すには費用がかかるので、それをアーティストたちがリノベーションしたのが発端で、NPO淡路島アートセンターが生まれ、以来、さまざまなアートプロジェクトを実施している。これは、7月20日の大枝どぞばた会議に招いた同センターの久保拓也さんに聞いた。(リノベーションの詳しい報告は⇒*)。

関わっている大枝アートプロジェクトが同じようなリノベーションから生まれたことと、建築技術的な関心から訪れた。
d0141644_124499.jpg
案内してくれた土井さんは布団職人。嵯峨美洋画卒だが、布団職人の技術に目をつけたところがアーティストとしての独自の出発点になっている。
日の出亭でもっとも気に入ったひとつがこの琉球風の雨戸。すきまから入り込む光が美しい。
d0141644_121021.jpg
d0141644_1212418.jpg
d0141644_12574186.jpg
古い柱や梁と新しい補強材の混交をそのまま見せている。こうすることで、建物を構成する複数の時間の積層と共存が感じられる。新しい天井は専門の大工に頼んでしっかり仕上げてあるが、アーティストらのブリコラージュ的な部分の方が圧倒的に面白い。
外壁も板壁、漆喰、ポリカという異質な素材の共存、屋根も立派な淡路瓦と木瓦とトタン瓦棒引きとブルーシートの協奏曲。
廃屋とバラックと住宅と料亭がごちゃまぜになり、ギャラリーであり宿屋でありカフェでもある。久保さんの言うように、日の出亭自体が立派な作品になっている。
日の出亭を見ると、アーティストが作品をつくるのではなく、作品(をつくる終わりなきプロセス)がアーティストをつくることがよくわかる。

現在、僕らの大枝土蔵が少し退屈に感じられるのは、大家さんが大工仕事できれいに手を入れてしまったからだろう。リノベーションをしたときの粗野な工作感が薄れているのだ。
職人さんなら、素人の粗野で中途半端な仕上げはがまんならないだろう。「うまく納める」のが彼らの技術だから。
同じ手仕事といえ、職人技術と美術のずれた位置をあらためて実感する。
by peuleu2 | 2008-08-10 22:31 | アート


<< Chiffon      Degustation >>