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2010年 06月 08日 ( 1 )
2010年 06月 08日
@KCUA Café_2: Trouble in Paradise
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5月連休明けから取り組んできた大藪さんの民家の土の救出が、5月29日(土)にようやく一段落した。
大藪家の門と土塀は、このあたりが「岡新田」として開発された300年前から存続してきた。
特に壁土や土塀の土は、とても質のいいもので、それが手に入れば、『生存のエシックス』展でつくる予定の「アクアカフェ」にとって、コンセプト面と技術面でぐっと前進する。
コンセプト面では、京都の西の端にある江戸時代の土を、東の端の琵琶湖疏水の水と混ぜて建築することができること。
技術面では、これまでのように道路工事現場などで入手した残土で必要だった精製処理がいらなくなったこと。

大藪家の解体がいつどのように進むのか、そこからの土の救出がどのように可能か、そうしたことが不明だったので、だめなら、沓掛インターの工事を手がけている大林組と交渉する必要があった。
なにせ、今度の展覧会に参加するにあたって、僕が自分に課した条件は、きわめてシンプルで唯物的なものだ。
すなわち、「主材料は買わない、展覧会後も再利用する」。これだけだ。

とはいえ、これを実現するには、多くの人の協力と、自分自身の多大な労働量が必要。
前者については、つちのいえをいっしょに進めてきたPLUSの院生メンバーがほとんど当てにできなくなったものの、テーマ演習の熱心な受講生が手伝ってくれた。OAPもほとんど実労メンバーがいなくなったが、地元に住む新メンバーの三木由也さんが、椎原保さんとともに、ときに駆けつけてくれる。
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更地となってしまった大藪家の跡地の中央に、井戸のあとが二つあった。
井戸も埋め殺された。

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近づいてみると、井戸の跡には、塩ビパイプが地中につっこんである。まわりに塩がまかれている。
聞けば、井戸には水の神様がいて、お酒と塩をまいて、鎮めているのだそうだ。
解体を受け持った吉井工務店の吉井社長によると、井戸を埋めるのに、4トントラック10杯分の砂が入ったという。新田開発された17世紀には、この巨大な井戸が暮らしの要だっただろう。

水のゆくえ。

今年になって、ずっと「価値の起源」ということを考えている。
頭の中にずっとあるのは、アフリカの荒野の風景だ。
塩と金を自然から摂り、砂漠で交換する、その風景。

ひるがえって、温帯モンスーン地帯の極東アジアのこの地。
大地を循環する土と水と竹とワラ、そして労働、人との信頼・協力関係。
ひとがこれらとともにあれば、生きていくためにさほど金銭は必要ない。
近代の市場経済は、これらすべての循環をたちきり、金銭に還元する。
そういう価値システムの中で、アートは、どこにどう位置すればいいのか。
芸術活動をオルタナティヴな経済活動、あるいはメタ経済活動にできるか。

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土の次は竹の入手。
6月6日(土)、おおまかな設計をして、竹の必要量を割り出し、ひとり竹林に赴く。
大原野北春日町の大五さんの竹林も、大藪家と同様、第二外環状道路の予定地にかかり、廃棄される運命にある。
いくらでも取っていいといわれた竹林は、放置竹林に近く、相当荒れている。
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6月7日(月)、二日間でほぼ3分の2の材料を集めたか。幸い気温が高くない。
今月中に加工しておかないといけない。まだまだ乗り越えるべき壁がある。

だが、ずっと野外で孤独に肉体労働を続けていると、自分の中のなつかしい野生がめざめてくる。

イノシシの子供の首吊り死体といっしょに働く日々。

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by peuleu2 | 2010-06-08 00:52 | 動く土