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2010年 06月 30日
@KCUA Café_7: dresser l'échafaudage
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「(6月28日)
河本信治様
お世話になっています。
別件ですが、前庭に張る例の解体工事用シートの風による倒壊の可能性の問題について、先日、協力業者の吉井工務店と現場で検討した結果、単管ではなく幅120cmの堅牢なビティ足場(枠組足場の一種)を組むことで、倒れる危険を回避できるという結論を得ました。枠組足場は、ビル建設や土木工事などの場合に使用されるものです。(私自身は「夢中です」の防音シートが鳥居の下で風で舞うのは面白いと思っているのですが(笑))
吉井工務店と私が、化粧石板に傷つけないよう、また構造の強度と入口へのアプローチを考えながら、いっしょに施工/撤去します。施工はおそらく7/3~4、撤去はアクアカフェ竣工時になるかと思います。」

などというメールを出していたが、朝方、吉井工務店の会長から電話がかかってきて、今日、組み立てるという。
たしかに今日29日が都合がいいと言ったが、吉井さんは仕事があるというので、あきらめていたのだ。
携帯を見ると、早朝6時台から何度も電話があった。
きっと吉井さんは、急に仕事日の変更を決めたのだ。忙しいのに申し訳ない。
松尾さんが言うように、吉井さんは本当に心暖かい方だ。
幸い雨はあがっていて、芸大の野外ステージに干していた防音シートを必死で補修。午後1時 すぎ、美術館に到着。
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ビティ足場を組む。
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鳥居の前の構築物は、何でもスペクタクルになる。

d0141644_3211199.jpg車止めを使って、単管で腕をつける。
なるほど、これで動くことはない。
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足場を組み終えたあと、シートを大きいものに買い替えて、大学に戻ったのが夜7時。
明日からの作業に備えて、ひとり、夕闇迫るなか、シートに480x405の楕円を描く。
なんとか間に合うが、くたくた。
by peuleu2 | 2010-06-30 23:05 | アート
2010年 06月 29日
@KCUA Café_6: transférer la terre et les bambous
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6月29日(火)、いよいよ土約12tと竹数十本を美術館に運ぶ日が来た。
奇くしくも、土を置かせてもらっていた松尾工務所の土地では、土をいただいた大藪家の廃材を処理していた。

d0141644_2251445.jpg朝10時、日通さんのトラックがやってくる。4トンと聞いていたが、6トン。しかもクレーンつき。土は10トン以上あるので、芸大と近美を3回は往復しないといけないかと覚悟していたが、2回で済みそうだ。
いっしょに科研をもらっている陶芸作家の長谷川直人先生と学生が手伝いに来てくれる。
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日通の西山さんが400個の土嚢を運ぶときいて、クレーン付きのトラックを手配してくれたので、大いにはかどる。
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クレーンを使えば、当然人間は楽になる。この10t以上ある土は、4日がかりで何度もピストン輸送した。

d0141644_238341.jpgだが、トラックのあとをついて、日通の車で近美に向かっているとき、今の文明が動いているものすごい圧力と速度を感じた。地鳴りのような音さえ聞こえた。
たぶん江戸時代の土を、江戸時代のように人力で救おうとしていたからだろうか。
アクアカフェを、重機のない時代につくられた琵琶湖疏水の竪坑をモデルにつくろうとしているからだろうか。
原始的な生活をしていた人間が、現代文明に出会って、その速度と巨大エネルギーにたじろぐ。
そういうときの感覚はこういうものではないか。この上でしか生きていけない無力感がおそってくる。

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午前中に、土嚢300個近くを運ぶ。
午後2時から残りの土を積み込んで、次は西門付近に置いてある竹を運ぶ。
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途中、激しいスコールが降って、ずぶぬれになる。
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近美での土と竹の置き場所は、駐車場横のスペース。
夕方5時過ぎにやっと運搬終了。
by peuleu2 | 2010-06-29 23:15 | アート
2010年 06月 28日
etude
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6月27日(日)、29日に控えた搬出にそなえて、終日、竹割りの作業。
造形計画を履修する一回生が、アクアカフェ・スタッフになりたいと申し出てくれたので、手伝ってもらう。
村里さん、森田さん、寺下さん、一柳さん、南君の5名。
おかげで竹割りをすべて完了できた。
竹割りのあと、近美のまえにつくるアクアカフェのスケールをチェックする。
長軸480cm、短軸405cm、壁高300cm。リブ構造の屋根の高さは約140cm。

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それはそうと、今、ひさしぶりにブログをアップして気付いたが、
エキサイトのブログに7月1日(木)から、記事内にテキスト広告が無理やり表示されることになった。
経営難か。しかしやり方がひどい。なぜ記事内にのせるのか?
近いうちにエキサイトから引っ越すことにする。
by peuleu2 | 2010-06-28 23:43 | アート
2010年 06月 22日
@KCUA Café_5: recherche de la trace de l'eau
6月21日(月)、午前中、昨日訪ねたばかりの伏見の吉井工務店の吉井社長と杉原卓治さんが、突然僕の自宅を訪ねてこられる。解体工事は環境政策とも深く関わっていて、興味深い話をうかがう。
大藪家の土を救うというプロジェクトから、思わぬネットワークが生まれつつある。吉井工務店を紹介してくださった松尾工務所に感謝。

午後、平安神宮に古写真のスキャンにうかがうが、スキャナーのコードやケーブルを忘れ、出直す羽目に。
しかし、「人間がつくるモノ以外、この世にきたないものはない」という話がきっかけになって、宮司の本多さんから、バイオ洗剤「とれるNo.1」をいただく。『神苑の生きものたち』という環境調査記録も貸してもらうが、読む時間が十分ないのがくやしい。
それにしても今回の仕事で、平安神宮を見る目がすっかり変わってしまった。
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3時から岡崎エリアのフィールドワークの下見を、京大の深町加津枝先生(景観生態保全論)、近代の田端敬三先生(生態工学)と行う。
近代美術館の屋上にあがらせてもらい、東山界隈の景観を別な視点から見直す。

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美術館から北白川へ。古白川をたどりながら、ルートを探る。
とちゅう、百々川(どどがわ?)という小さな川をみつけ、思わず流れをたどる。

疏水記念館のサイトによれば、「南禅寺惣門の北側から現れている水路は、第一疏水建設によって付け替えられた川で、比叡山や大文字山から流れてくる白川のなごりで、古白川と言います。
現在、この古白川に流れている水は蹴上浄水場東側の歩道の下を通ってこの付近で合流している百々川からの水です。この百々川も三条通の南側を流れ蹴上駅付近からインクライン線路下付近を流れていましたが、インクライン建設のために三条通を横断し、蹴上発電所西側を流れる現在のルートに付け替えられました。」

生態学的アプローチの方は専門のおふたりにまかせて、やはり僕自身は「水のゆくえ」というテーマで水の流れをトポロジックにたどることをしよう。百々川がまずは第一候補。

それにしても、アクアカフェ建設だけでもたいへんなのに、ワークショップ準備までできるのか・・・・
by peuleu2 | 2010-06-22 04:16 | 観察
2010年 06月 21日
@KCUA Café_4: M. Dé-constucteur
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6月20日(日)大藪家の土救出でお世話になった吉井工務店の社長から、例の防音シートを貸していただけるというので、伏見区深草宮谷町の現場を訪ねる。伏見は地理的にいまだ不案内で、やはり道に迷う。
電話したら迎えに来てくださり、軽トラについていくと、丘の斜面を上ったところに、4000坪からなる広大な土地があった。
ISO14001認証と無災害8028時間の看板のかかる事務棟の横に、解体現場からもってきたという鉄骨モジュールを使って別棟を建てている。基礎はH鋼。予想通りというか、ブリコラージュなどという生やさしいものではない。
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小高い丘の上の作業場からは、伏見の街並みはもちろん、伏見城を目前に眺められる絶景が広がる。
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吉井さんは、解体対象が、古い民家や邸宅はじめ、高層ビル、工場、寺社と幅広く、相当高価そうな庭石や古い門なども廃棄処分にしないで持ち帰ってくる。
長年それを続けた結果、今ではものすごい量の豪勢な庭石が敷地の至るところに草に隠れている。手水鉢がごろごろあり、鞍馬石らしき巨大な沓脱ぎ石も見た。「ほしかったら持っていってもええで」と言われたのは、古い門だった。和風の邸宅の入口を飾っていたものらしく、ふとアクアカフェの門にしようかとも思う。
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コンクリ廃棄物の巨大粉砕機もあって、埋め立てや造成などに使う土砂がどんどん再生されてくる。
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巨大丸太を梁に組んだダイナミックな建物が敷地内にある。聞けば、伏見城が見えるいい立地なので、レストランをつくろうと、自分で建設を始めたが、途中で不良たちによって火をつけられ、あきらめたという。
丸太は、北山にもつ自分の山林から切り出し、壁にはられた石やタイルは、どれも解体した建物に使われていたものの再利用。黒焦げになった丸太の小屋組みは、シンプルで圧倒的な迫力。壁の意匠も、廃材の再構成。
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脱帽したのは、城壁のようなこの石組み。これも吉井社長がコツコツと10年がかりでコンクリ擁壁に廃材の石材を貼り積んでつくりあげた。

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吉井さんが解体される屋敷の庭から救い出した樹木のギャラリー。
生きてる樹木を解体処分するのはしのびない、と吉井さんはいう。
ここでは、心暖かい解体屋さんの澄んだ魂によって救い出された石や樹木の第二の人生の場が展開している。敷地全体が吉井さんのワンダーランドになっているのだ。
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だが解体の仕事が生やさしいものでないことは、ぼろぼろになったキャタピラが物語っている。

帰り際、吉井さんから、ある「石」をいただいた。焼いたら白くなり、「毒」を吸収すると赤くなる。火山製の石だとか。水に入れて飲んでもいいし、手や顔を洗うと肌がつるつるになるとか。とても高価らしい。アクアカフェのメニューに追加か。

野積みになっていた防音シートをみつけ、10枚ほどお借りして車に積んで帰る。吉井さんは、「ただでやる」と言ってくださるが・・・

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防音シートを作業場所にしている音楽棟裏の野外ステージに運んで、広げてみる。シートは180x360cm。10枚並べると、広さがぴったり。
梅雨の雨が、汚れをある程度落としてくれることを期待する。

防音シートに文字を印刷することは、いろんな業者が工夫してやっているらしい。
このユニークな言葉は吉井さん作だが、印刷業者がまちがって上下逆さに500枚も印刷してしまったという。
逆さ文字は呪いかと思ったがそうではなかった。しかし、その誤謬をそのまま使うというのが気に入っている。
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防音シートが汚れているのはしかたないが、基本的に油汚れではなく、現場の泥や埃が付着したもの。
吉井さんからいただいた洗剤をぞうきんにつけてこすると、汚れも意外とすんなりとれる。
そもそも「汚い」とは何を称して言うのか。この世に汚いものなんてない。少なくとも、人間が作り出した自然に帰らないもの以外は。

とはいえ、設置するのは京都国立近代美術館の前庭。あそこは風致地区なので、きれいに洗っておかないと。
構想では、アクアカフェ建設中、平安神宮の鳥居の下に、「夢中です。」の逆さ文字が林立する。
台風で飛ぶとすごいだろうな。

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この野外ステージは長年使われないまま、半ば廃墟化しているが、いたるところにあるデザイン上の凹凸が、竹を引っかけたりと、いろいろ作業に役立つ。タイル貼りの床は方眼紙代わりだ。
音楽学部の授業の邪魔にさえならなければ、ここをそのままアトリエ化したいと思う。

by peuleu2 | 2010-06-21 01:15 | アート
2010年 06月 11日
@KCUA Café_3: ciel en pentagone sur de l'eau
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一昨日、大藪さんの敷地を分割する杭の列が打たれた。
西側が国の高速道路予定地、東側が京都市が管轄する側道。
もうまもなく、敷地は見る影もなく変容するだろう。

今日、6月11日(金)、朝から空は青く晴れ渡り、来週からの梅雨入りの予報もあったので、やるとしたら今日しかない、と思う。
何をやるかといえば、敷地の中央にあった井戸の上に、正五角形の空をつくること。
すでに立入り禁止区域だし、可能かどうかあやしいが、この冒険ができれば、アクアカフェの冒険もうまくいくような気がする。こういう呪いを僕はときどきする。
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敷地使用の交渉はうまくいって、造形計画の受講生らと決行にうつる。
ちょっとあせっていたので、2.5mmのベニヤを使ったため、へなちょこだったが、
井戸跡のパイプと正五角形の光の中心がきれいに重なったときは、小さな感動があった。

正五角形は、対角線が黄金分割しあう。
ピタゴラス学派は、正五角形に内接する五芒星をシンボルマークとしていたが、これは逆さにするとデビルスター。
写真に撮ったら、五角形もちょうど逆さ。いいのかな。。。
比燕荘の解体式以来、なぜか「魔」の側面が出てきている。
研究室に帰ったら、眼が悪魔のように真っ赤に充血していた。

吉井工務店がやっていた防音シートの逆さ文字も魔よけの呪いと見る。
これは確かめる意義がある。

ターレス(「万物のアルケーは水」、BC.624〜546)の上のピタゴラス(「万物のアルケーは数」、BC.582〜496)
正五角形の空は、荒ぶる水の神を鎮めることができるか。
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by peuleu2 | 2010-06-11 23:03 | アート
2010年 06月 08日
@KCUA Café_2: Trouble in Paradise
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5月連休明けから取り組んできた大藪さんの民家の土の救出が、5月29日(土)にようやく一段落した。
大藪家の門と土塀は、このあたりが「岡新田」として開発された300年前から存続してきた。
特に壁土や土塀の土は、とても質のいいもので、それが手に入れば、『生存のエシックス』展でつくる予定の「アクアカフェ」にとって、コンセプト面と技術面でぐっと前進する。
コンセプト面では、京都の西の端にある江戸時代の土を、東の端の琵琶湖疏水の水と混ぜて建築することができること。
技術面では、これまでのように道路工事現場などで入手した残土で必要だった精製処理がいらなくなったこと。

大藪家の解体がいつどのように進むのか、そこからの土の救出がどのように可能か、そうしたことが不明だったので、だめなら、沓掛インターの工事を手がけている大林組と交渉する必要があった。
なにせ、今度の展覧会に参加するにあたって、僕が自分に課した条件は、きわめてシンプルで唯物的なものだ。
すなわち、「主材料は買わない、展覧会後も再利用する」。これだけだ。

とはいえ、これを実現するには、多くの人の協力と、自分自身の多大な労働量が必要。
前者については、つちのいえをいっしょに進めてきたPLUSの院生メンバーがほとんど当てにできなくなったものの、テーマ演習の熱心な受講生が手伝ってくれた。OAPもほとんど実労メンバーがいなくなったが、地元に住む新メンバーの三木由也さんが、椎原保さんとともに、ときに駆けつけてくれる。
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更地となってしまった大藪家の跡地の中央に、井戸のあとが二つあった。
井戸も埋め殺された。

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近づいてみると、井戸の跡には、塩ビパイプが地中につっこんである。まわりに塩がまかれている。
聞けば、井戸には水の神様がいて、お酒と塩をまいて、鎮めているのだそうだ。
解体を受け持った吉井工務店の吉井社長によると、井戸を埋めるのに、4トントラック10杯分の砂が入ったという。新田開発された17世紀には、この巨大な井戸が暮らしの要だっただろう。

水のゆくえ。

今年になって、ずっと「価値の起源」ということを考えている。
頭の中にずっとあるのは、アフリカの荒野の風景だ。
塩と金を自然から摂り、砂漠で交換する、その風景。

ひるがえって、温帯モンスーン地帯の極東アジアのこの地。
大地を循環する土と水と竹とワラ、そして労働、人との信頼・協力関係。
ひとがこれらとともにあれば、生きていくためにさほど金銭は必要ない。
近代の市場経済は、これらすべての循環をたちきり、金銭に還元する。
そういう価値システムの中で、アートは、どこにどう位置すればいいのか。
芸術活動をオルタナティヴな経済活動、あるいはメタ経済活動にできるか。

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土の次は竹の入手。
6月6日(土)、おおまかな設計をして、竹の必要量を割り出し、ひとり竹林に赴く。
大原野北春日町の大五さんの竹林も、大藪家と同様、第二外環状道路の予定地にかかり、廃棄される運命にある。
いくらでも取っていいといわれた竹林は、放置竹林に近く、相当荒れている。
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6月7日(月)、二日間でほぼ3分の2の材料を集めたか。幸い気温が高くない。
今月中に加工しておかないといけない。まだまだ乗り越えるべき壁がある。

だが、ずっと野外で孤独に肉体労働を続けていると、自分の中のなつかしい野生がめざめてくる。

イノシシの子供の首吊り死体といっしょに働く日々。

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by peuleu2 | 2010-06-08 00:52 | 動く土